機械人形は、ひとり、語る。(短編)
目指したのは、二階の大広間。
その先には、素敵なテラスがあって。
咲き誇るラベンダーの花々に囲まれた、小さな私の世界が一望できる。

三日月に照らされて。
今夜はとても明るい。

夜明けまでは。
まだ思い出の中にいたいの。

偽物だけど幸福だった日々。
もう、戻りたいとは思わないけれど。
なぜか、少しさみしいの。
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