永遠を君に
ユウとの思い出
それから退院するまで、中学生時代の友達や、高校の友達、先生などが訪問してくるせいか、あれ以降一度も病院には来なかった。

他の友達や先生に心配されているのはすごく嬉しかった。それでも心のどこかではカズが来てくれる、そう思っていたのかもしれない。

窓から外を眺めて、自然にあたしはカズが来るのを待っていた。

カズのことを気にし始めていても、それはきっと、友達だから。そう思っている自分がいた。

あれから約一ヶ月・・・。体が安定し始めたおかげで何とか誰かに手伝ってもらいながらでも立てるようになっていた。

あれからカズを待ち続けても一度もカズは来なくて、もう来ない。そう確信していた自分は、カズのことも頭の中からなくなりかけていたときだった。  

窓から外を眺めていると、カズらしき姿が見えて、あたしは起き上がり、窓から下を見たときにはもうカズらしき姿は見えなくなっていた。

「カズなわけ・・・ないよね。」

あたしはがっくりとしてベットに横たわった。

少しすると病室の扉が、開いていた。

そこに立っていたのはずっとあたしが待ち続けていたはずのカズだった。

「あれからなかなか来れなくてごめん。ここにきた事のあるダチにここに先生とか女とか色々なやつが来てるって聞いててなかなか来れなかった。」

「大丈夫だよ、カズから来てくれて、あたし安心したよ。」

「何もってくればわからなくてさ・・・とりあえず、花持ってきた。」

カズは照れくさいのか頭を掻き、そっとその花を花瓶の中へといれた。

< 7 / 26 >

この作品をシェア

pagetop