CHECKMATE
「例えば、どんな風に言われてるんでしょうか?まさかとは思いますけど………」
夏桜は千葉の瞳を真っ直ぐ見据え、言い淀んだ。
そんな夏桜の表情から察して、千葉は楽しそうに口を開く。
「フフッ、そのまさかだ」
「えっ?!」
「奴らは俺らが付き合ってると思い込んでる」
「えっ……」
「水島なんて、俺らの尾行したらしいぞ」
「はっ?」
「俺らがスーパーに入って行く所をバッチリ見たらしい」
「っ………」
「まぁそれに関しては、足がない東の送り迎えをしてるから、そのついでだとは話したんだが」
「………」
夏桜は唖然としてしまった。
2人の間に漂う雰囲気なんて、『恋人』のこの字も無いのに……。
「俺と剣持は大学時代からの仲で、この部屋を貸すにあたって部屋の掃除を奴に手伝わせたんだよ。東がここに住む日の昼間に」
「………そうだったんですか」
「こういう仕事をしてると、命を狙われる事もあるから、必然的に目の届く所に住まわせてるだけだって話しても、奴らは信じようとしない」
「………」
「だからと言って、東の個人情報は漏らして無いから安心しろ」
「…………ご迷惑をお掛けしてすみません」
要らぬ誤解を招いただけでなく、千葉の生活環境も脅かしているのかもしれない。
「あの……」
「ん?」
「私も聞きたい事があるんですが……」
「何だ?……言ってみろ」