CHECKMATE


千葉はすぐさま部下に指示を出し、クラブ『Maison』を徹底的にマークすることにした。

更には、クラブに出入りしているキュア製薬の割り出しと、他のクラブにも同じような車両が出入りしていないか、手分けして調べることにした。

20時を回った頃、漸くマンションに到着した。

「ちょっと待ってろ」
「え?」

帰宅早々、千葉は浴室へと姿を消した。
そして、ものの数秒で戻って来て……。

「湯張りしてるから、今日はゆっくり入れ」
「えっ、いいわよ、わざわざ勿体ない」
「後で俺も入るから、気にするな」

Yシャツの袖を捲りながら、夏桜の頭にポンと手を乗せた。

「温まった方がいいに決まってるだろ」
「…………」
「チャーハンみたいな簡単なものでいいよな?ってか、それくらいしか作れないから、期待するなよ?」
「……………ありがとう」

腹水が溜まっている状態で体が冷えれば痛みも増す。
少しでも緩和出来るのであれば、何でもしてやりたかった。

千葉は、夏桜がお風呂に入っている間に夕食の支度をする。
冷蔵庫にあったものでチャーハンとサラダを作り、インスタントのわかめスープを用意した。

入浴を済ませた夏桜がキッチンに現れると。

「先に食べてろ」

一言だけ残し、浴室へと向かって行った。

「何だか、至れり尽くせりで申し訳ないな……」

誰もいないキッチンに夏桜の声が吸い込まれていった。

***

日曜日の朝8時。
婦人科の正面入り口に、清掃会社の従業員と共に剣持と倉賀野の姿がある。

院内清掃に併せ、エレベーターの定期点検と称して、2人は院内に潜入することになっている。

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