CHECKMATE

「夏桜っ」
「だっ、ぃっ……じょ…ぅぶッ……」
「そういう問題じゃない。命に代えても守ってやるから――俺の傍から離れるな」

千葉は彼女を制止するように彼女の腕を下げさせ、自身の背後に匿い返す。

「お熱いことで。そういうことはあの世に行ってからして貰おうか」

仙道がセーフティーを解除した。
今にも発砲出来るように……。

千葉はごくりと生唾を飲み込む。
そして、首を傾げるふりをして、剣持に突入の合図をした。

倉庫の入口ドアからフル装備の特殊部隊SATと剣持、それと機動隊が援護護衛で姿を現した。

「そこまでだ」

剣持の声と共に仙道たちの背後を囲むように多数の銃口が向けられている。

「手を上げろ。もう逃げられないぞ」

千葉は銃口を構えたまま、一歩また一歩と近づく。
それを援護するような形でSATもまた仙道たちに近づき完全に包囲した。

仙道とエダーたちは背後を確認すると、SATの背後にSITまで待機しているではないか。
ざっと見ても30人以上。

さすがに仙道も大きな溜息を漏らした。

「投降するなら今だぞ。俺は優しいからな」
「フッ」
「チェックメイト」

レーザー照射が仙道とエダーの左胸と額に幾つも当てられている。
これ以上、逃げることは出来ないと王手をかけた状態。

「俺の負けだ」

仙道は拳銃を下に置き、両手をあげた。
それを見たエダーも悔しい表情を浮かべ、両手をあげる素振りを見せた、次の瞬間。
パンッ、パンッと発砲音が連続で鳴り響いた。

< 286 / 305 >

この作品をシェア

pagetop