CHECKMATE
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千葉は蜥蜴から入手した情報を基に、人身売買の取引が行われているというビルに向かった。
前日まで半年以上もの間、休日返上で職務を全うしていた千葉に、警視正からの命令で突如休日となった今日。
千葉にとって『休む』という事は捜査から外された感覚に陥り、のんびりと休む事が出来ずにいた。
『刑事』という立場の警察官の多くは、家族と過ごす時間も、恋人とデートする時間も、1人でのんびりと寛ぐ時間さえも返上して、1日中捜査の事ばかり考えている。
少し切ない性なのかもしれない。
目的地に到着した千葉。
1階にネットカフェ、2階が歯科医院、そして3階は……法律事務所。
「法律事務所で人身売買ねぇ………こりゃ、本末転倒だな」
千葉はポケットから伊達眼鏡を取り出し、それをサッと着けた。
目的の場所が法律事務所という事もあり、中を調べる事は出来ないと思った千葉は、一先ず、他のテナントの様子を窺おうと考えた。
そして、ネットカフェの入口をサッと覗き、その足で2階の歯科医院へ向かった。
念には念をと考えた千葉は、エレベーターではなく、階段で2階へと上がった。