ある男子高校生の恋愛事情【三井編】


「「「お疲れ様でしたー」」」

終わった


「三井」と声がしたら斎藤だった

いじけてるのが直ったのか


「よかったら、明日も頼むよ。平日でも暇な時はいつでもいいから」


平日……


「塾があるから、土日だけ来る」

「え゛お前、塾行ってるのかよ!?」


「別に、行きたくていってるわけじゃない」



「お前も受験色に染まってしまうのかあ」

「…………」


「どこ行くか決めてるのか?」

「全然」


「だよなー」



でも

「バスケの強いところがいい」

「……オレ、三井と同じ高校にしようかなー」



「どうぞ、お好きに」

「そしたら、お前が部長な。でオレが副部長」


なんでだよ


「斎藤が部長やれ」

「いやいや、三井だろ」


「だから人望ねえしって言ってるだろ」

「あーやだやだ。人の後輩を奪った奴のセリフかよ」


…………根にもってやがる


「じゃあな」と帰り際に

ボソッと

「本当は慕われて嬉しいく・せ・に」と耳元で言われた


「……斎藤、ムカつく」





< 28 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop