ある男子高校生の恋愛事情【三井編】
「「「お疲れ様でしたー」」」
終わった
「三井」と声がしたら斎藤だった
いじけてるのが直ったのか
「よかったら、明日も頼むよ。平日でも暇な時はいつでもいいから」
平日……
「塾があるから、土日だけ来る」
「え゛お前、塾行ってるのかよ!?」
「別に、行きたくていってるわけじゃない」
「お前も受験色に染まってしまうのかあ」
「…………」
「どこ行くか決めてるのか?」
「全然」
「だよなー」
でも
「バスケの強いところがいい」
「……オレ、三井と同じ高校にしようかなー」
「どうぞ、お好きに」
「そしたら、お前が部長な。でオレが副部長」
なんでだよ
「斎藤が部長やれ」
「いやいや、三井だろ」
「だから人望ねえしって言ってるだろ」
「あーやだやだ。人の後輩を奪った奴のセリフかよ」
…………根にもってやがる
「じゃあな」と帰り際に
ボソッと
「本当は慕われて嬉しいく・せ・に」と耳元で言われた
「……斎藤、ムカつく」