ある男子高校生の恋愛事情【三井編】
「………」
やばい。急に黙った
俺、地雷踏んだのか?
もし踏んでたら、明日のおにぎり貰えない
「ね、お茶する?」
へ?
―って
「お前の家じゃないか」
しかも、親がいないじゃないか
……でも聞いたらまた黙るよな…
それは面倒
「コーラと紅茶と牛乳のどれがいい?」
「じゃ、コーラ」
「はい」とくれた
「甘いの嫌いなのにコーラはいいんだ?」
「炭酸は別」
「じゃあ、コーラ味のフリスクは?」
「やだ」
「よく、分かんないなあ」
………ダメだ。モヤモヤする。
やっぱり聞く。性に合わない
「親は仕事?」
「……うん」
「「…………」」
会話が終わっちまった
まあ、ね、聞いたからなんだって話だし
気にしなきゃいいんだ
そうだよ。
なんで俺がコイツの家庭事情を気にするんだ?
気にしてるのは、おにぎりの行方のはずだ
「あー…どこにでもある父子家庭なんだよね」
突然、口を開いた
「で、ちょっと出張が多いくらい??みたいな」