ある男子高校生の恋愛事情【三井編】

「コレさ、俺からだって言わないでお前から……」

「おーい。皆集まれ―。三井が作戦考えてきたぞー！」


言うなよって言おうとしたのに


「なんで、言うんだ」

「はあ？何をグチグチと」


だって、強制みたいな感じになるじゃないか


「早く説明しろよ」

あー……


「えー……嫌ならいいんだけど」

「なんだよ。その前置きは。急にＭ子ちゃんになるなよ。いつものドＳ君で行けよ」


もうやだ。斎藤やだ。やっぱりコイツが未来の副部長とかやだ


「次の大会ってこの辺の学校の奴らとあたるだろ。
だから、俺の知る限りの特徴とか、有力選手のピックアップとかしてみた」


「「「おおーー」」」


「三井先輩すっげー」

「コレあれば絶対勝てるじゃん」


あれ？


「じゃあ来週はその練習ってことで～お疲れ」って斎藤の声で解散した。


およ？


「斎藤？」

「あ？」


「なんで、みんな嫌がらないんだ？」

「は？」



キツイ練習のせいで嫌われてるはずでは？

だからと言って練習の手は緩めてなかったし


「お前、やっぱりバカだなー」

ムカッ


「前に話した人望のこともそうだけどさ、
ちゃんとお前のバスケをみんな見てるから」


「………斎藤と山口だけが特異体質なんだと思ってた」

「ブッ！！」


「お前の学校の奴らはさ、あれだよ」

？


「お前に嫉妬してるんだ。ただのやっかみだ。気にするな」

……………


「じゃあな」と言って斎藤は帰って行った


嫉妬？

嫉妬してたのは俺だったはず



そうか

俺は仲間に入れてない気がして嫉妬してて

あっちはあっちで俺に嫉妬してたのか




……なんだそれ


斎藤の言うとおりだ

「俺はバカだな」