ある男子高校生の恋愛事情【三井編】
始まりの始まり



ガラにもなく昔を思い出していたら
あっという間に駅に着いた


歩いていたらスーパーの店頭の紙が目についた

“大特価”


…買っていくか



増えた荷物を持ちながら
扉をあけたら、変わった匂いがした



「あ、来た来た。食べる?」

「ん。今日なに?」


「チゲ鍋」


「へえ。食ったことない」と、言いながら
買ってきた米を置いた


「10キロ!?多いよ!」

「筋トレになった」



冷蔵庫を開けて、お茶をだす

「まだコーラ残ってるよ?」

「瀬戸の家で散々、飲んだんだよ」


………コーラ…


「ギャハハ」

「何?いきなり笑い出して」



「や、山口が」

「?」


自家発電の話を思い出した


「あー腹が痛い」

「減ったんじゃなくて?」


あー面白い。何度思い出しても面白い


「ねえ、ちょっと熱いから運んで」

「んー」


よっと鍋を運ぶ


あれ?

「鍋敷きがないぞ」

「あーちょっと待って。持ってくる」


お待たせ、と鍋敷きが来た






< 82 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop