泣きたい夜には…~Shingo~
はじまりは突然に



ただいまの時刻、AM0:00を回ったところ。


週末は渋滞情報で馴染みのある国道1号線を自宅のある大磯方面へと車を走らせる。


かつては別荘地だったという高級住宅街を通り抜けると自宅はもうすぐ。


確かこの家は大物俳優の家。


あそこは、引退した元政治家の邸宅。


まぁ、俺のような庶民には逆玉にでも乗らない限り手に入れることは不可能だろう。


でも、夢は大きく、


小さくてもいい、いつか絶対庭付き一戸建てを買うぞ!


などと言った日には、


「その前に嫁だろーが!!!?」


なんて総ツッコミが入ることは必至…。


だが、仕事仕事の毎日で、こんな時間での帰宅では嫁どころか出会いにも恵まれるわけもなく。


だからといって、合コンに参加する情熱とパワーは俺には残されていない。


「疲れた…」


家と会社を往復するだけの毎日は正直虚しいもの。



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