クローバー的恋事情
「萱森さんの教育係の人、少し無愛想に見えるけど、根は優しい人だから、頑張ってね」


「はい」


無愛想な人って、どんな人だろう。怖いな。失礼のないように、落ち着いて行動しなければ。

同じ営業部、顔を合わせることは多いのかな。まだほんの少ししか恋心は薄れていない。話しかけられるといちいち胸が高鳴る。

全然慣れないし、意識しないようにするのも難しい。


「里中さんは、多分受付担当になると思うよ」


「受付って、5階のですか?」


「そうそう」


友香みたいな美人さんが受付にいたら、華やかになるだろうな。うん、友香に合っていると思う。


「受付なんて、つまらなそう」


「んー、どうだろうね」


友香はバリバリに仕事をしたいと言ってた。友香のほうが営業部に向いていると思う。だからといって、私が受付に座ったら、華やかさが絶対に減る。

何でも出来て、期待される友香が羨ましい。



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