僕が霊を信じた日
ガチャ!

「ただいま〜」

母の声。帰ってきたのだ。

すると、鍵は解除されないまま止まった。


僕はトイレから出た。

「あら? そんなに汗かいてどうしたの?」

母の笑みを見て、僕は安心した。


正直、この僕が【霊】を信じたことは確かだった。


この家には何かいる。

だが、精神的に成長している僕は、この家を引っ越そうだなんて親には言うことが出来なかった。


引っ越して間もない。

弟だって新しい学校に慣れてきたとこだ。


僕は我慢するべきなのだ。
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