ジャスミン
『えっ何言ってるの…?奥さんは?』

『まだ話してないが、あいつが付いてくる訳ない。離婚するよ。それに、フランスならおまえのデザインをもっと広めていけると思うんだ。一緒に行こう!』

『…お話は有り難いですが、私は行きません!』

真っ直ぐに健司を見つめた。


『俺ならおまえを上にあげてやれる。』

『確かにフランスは魅力的な国です。でも今は目の前のことをしっかりとやっていきたいんです。…それに私は離婚なんて望んでいないの!部長も本当は私に付いてきて欲しい訳ではないんじゃないですか?』

僅かに健司の瞳が揺れたように見えた。

『何が言いたいんだ?俺がおまえを選んだ、それで良いだろ!』

ガシッと腕を捕まれ、鋭い視線に震えが止まらない。


『や、やめ…て。』
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