お見合いの達人
「そこでだ、浜木君には来月よりMIDORIカフェに出向して貰って、

 店舗更新時に、店長になってもらうつもりなんだよ」

「それでは、私は……」

クビってこと?

飛ばされて更にクビって、

どんだけ私は不幸なの?

がっくりと肩を落とす私の肩をポンポン叩きながら

「だからさっきも言っただろう?

 心配には及ばないよ、

 また本社に戻ってもらうから」

「そんな……」

「2ヶ月後だ。

 それまでは今のままがんばって売上を上げてくれ。

 驚いただろうが、

 さっき言った場所に急に空きが出ることになったのでね

 君には新たな気持ちで、

 こちらで働いてくれ」

ちょっと待って、

私はミスで、簡単に人を飛ばして、

何年もほったらかしな会社に未練なんかなくて、

だから寿退職をしようと、

婚活に力を入れることにしたばかりだ。


こんな会社こんな……

「みんな君のがんばりはちゃんと見ていたからね、

 今度はこっちに戻って頑張ってくれ」


その後、

時間がないことを理由に、

本社を後にしたけれど、

全く持って信じられない。


電車を乗り間違えるほど私は動揺した。




 

 



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