お見合いの達人
は?

今恋人って言ってた?


「ちょっと、どさくさで何いってんのよ

勝手なこと言わないでよ。」


「はは、バレた~?

とにかく、帰るだろ、

行こうぜ♪」


からからっと

軽く笑いながら、

道の縁石の上を楽しそうに歩く。


ぴょいぴょいと隣り合わせに延びる

坂にそって上がっていく藤吾は

どんどん頭上に位置を変えて行く。



「ちょっと、どうしたの?

酔ってるんじゃない?」 


「別にー、ビール位じゃ酔わねーし」


「そういうの酔ってるって言うのよ。

危ないから降りて来なさいってば。」


「あー、いーよ。受け止めてー!」


「え、え、ちょっと待って~っ」


予期せぬ要求にパニックになる。

受け止めろって~無理っ


「止めっ……」


ズザッ

こともなげに飛び降りて来た

「なーんちって」


いたずらそうな目でを見上げる。


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