画家と大家
「はっ…くくくく」


漏れた失笑。脱力感。その他諸々。


「ねぇ、描いたら隠したってバレんのよ。それ、あんたの写し鏡なんだから」


「…うるさい」


「描きたいように描きなさいよ」


「…ムカつく」


「そう?あんたの気持ちなんて分かんないけど、言わずにはいられなかったの」


何故か抱擁された。温く柔らかい。嫌いな筈が抵抗出来ない。


…糞。


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