Caught by …
 え?と気のない返事に二人が呆れた表情で顔を見合わす。そして、顔を近づけて…

「バージンは捨てたの?」

 声を合わせた彼女たちに私はたちまち顔が赤く染まり、頭に浮かんだ彼の姿を必死に消した。

「ち、違う、違う‼私はまだバー…っ!」

 思わず立ち上がって“バージンです!”と言いかけた所を二人が口を塞いで止めて席に座らせた。

 これに関しては感謝しなきゃいけない。こんな公共の場で宣言するには、恥ずかしすぎる内容だ。

「はいはい、分かったから。一旦落ち着こ」

「これ、水、水飲んで」

 ベッテから受け取った水を飲み干し、うるさい鼓動を静めさせる。

「でも、まだなのね。トムって意外と小心者ねぇ」

「違うよ、そんだけセシーリアが大事だから、この子の気持ちを尊重してんのよ。あんたが彼の彼女だったらとっくにしてるね」

「うるさいわね、あなただったとしても付き合った初日からやられてるわよ」

「言ったね?そもそもあんたなんかトムの眼中にも…」

 突然の言い合いに私はオロオロして困り果てる。周りのお客さんも、好奇の目でこちらをジロジロ見ていた。

「あ、あの…二人とも……!」

 やめてよ、こんな所で!恥ずかしいにも程がある!

 私の話なんて聞こえていない二人から、逃げ出したくなる衝動にかられていると聞き覚えのある声が私を呼んで、そちらを振り向く。

「ト、トム!」
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