Caught by …


 翌日、普段のように授業が終わり、ベッテとアンネの二人と約束していた待ち合わせ場所に向かう。

 ぐるぐる巻きのマフラーが顎まで隠し、自分の息が一瞬こもって、冷たくなる。手袋の中の手がどうしようもなく冷たくて、両手を擦り合わせて温める。

 待ち合わせ場所にはアンネが一人で待っていた。うつむいて携帯をいじっている。端からみても寒いだろうとしか思えないミニスカートに、自分の体温が低くなった気がした。

 膝下まであるスカートにタイツ、さらに踝丈の靴下を重ね履きしてある自分の格好と比べても明らかに寒そうだ。

「ごめんね、お待たせ」

 アンネは顔をあげて私に気づくとアーモンド形の目を細めた。

「ううん!それよりベッテの奴、遅れるかもだって!いっつもなんだから、ちょっとは反省してほしいよね」

 そう言うとアンネは携帯の画面をこちらに向けた。…たしかに、ベッテから遅れるという旨のメールが送られていた。

「ぜったい、男と会ってて遅れてるんだよ」

 肩をすくめて呆れたように喋るアンネ。仕方ないと笑って宥める私。


 私と違って彼女たちは友達が大勢いる。男女問わずに人気がある。

 アンネは見た目や口調がきついが、思いやりのある子。ベッテはお嬢様でわがままな所もあるけど行動力がある子。

 なかなか友達ができなかった私に二人が声をかけてくれて、こうしてよく遊ぶようになった。
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