黄昏に香る音色 2
明日香は、ステージを見つめた。

初ステージはここだった。

扉が開いた。

入ってきた3人に、明日香は驚き、笑顔になった。

「よおっ」

武田、原田に阿部。

かつて、恵子とともに、この店の由来になったバンドを組んでいたメンバー。



ステージに、明かりがともった。

武田がカウントをとり、原田が旋律を奏でると、

明日香は、トランペットのマウスに、口づけをした。

阿部が、しっかりと音を引き締める。

曲はバイバイブラックバード。

あまりにも、軽快な演奏に導かれて、二階から、香里奈が降りてきた。

里美が手招きして、空いてるカウンター席に促す。

香里奈は、久々の母の演奏に、じっと聴き入っていた。


< 135 / 539 >

この作品をシェア

pagetop