黄昏に香る音色 2
「本当の妹みたいに…。例え…あいつらの子供だとしても…」

志乃は、拳を握り締め、

「あたしは…許さないから…」

香里奈は、志乃の言葉がさっきから、理解できない。

「あんたに、罪はない…。だけど…あいつらの娘なんだ…」

志乃は、香里奈の胸ぐらを掴む。

「あたしは、歌手になる!そして、あいつらに復讐する」

「志乃ちゃん…」

まだ小学生である香里奈には、

理解できない言葉より、

志乃の怒りが怖くって、震え、身を縮めた。

その様子に気づき、志乃は、香里奈を離した。

涙を溜め、震える香里奈。

志乃は少し、香里奈から離れる。

「香里奈を、憎みたくないから…あんたには、やってほしくない…」

志乃は、さらに後ずさる。

そして、叫んだ。

「音楽を!」
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