黄昏に香る音色 2
親子
直樹が携帯を置くと、

すぐにまた、携帯が鳴った。

直樹は電話に出た。

「直樹」

相手は、和也だった。

「和也」

「話がある。お前には悪いんだけど…」

直樹は微笑み、

「帰ってくるんだろ。この家に」

「直樹!?」

「わかってたよ。お前が、帰ってくることは…」

直樹の言うことに驚き、

戸惑う和也。

「べ、べつに、出ていけというわけじゃなくて…」

「わかってるよ。部屋はあるし、大丈夫だ。お前とおばさんが、いつでも戻れるようにしていたしな」

「それで、一階を綺麗にしてたのか!」

和也は、思わず声を荒げた。

「食材とかは、ないけど…やる気だったら、いつでも開けれるよ」

「直樹…」

「言ってなかったけど…たまに、何人か昔のお客さんが、訪ねてくるんだぜ」

「そうなのか…」

和也は、感慨深いものを感じていた。

「いつ戻ってくるんだ?」

「明日、明後日には…」

「そうか…待ってるよ」

「お前の都合はいいのか?」

「ああ。明日は、少し出かけるけど…速水さんと…ちょっと…」

「速水」

和也はつぶやいた。

少し間をおいて、

和也は、直樹に話し始めた。

< 197 / 539 >

この作品をシェア

pagetop