黄昏に香る音色 2
「多分、会場はマスコミなどで、すごいことになってると思う」

直樹は、香里奈と3人の間に入り、

「もし、その会場に、みんながついてきたら…みんなに、迷惑がかかるかもしれない。速水さんの友達だとわかったら、何をきかれるか…わからない」

「香里奈…」

恵美と祥子は、香里奈を見た。

「ごめんなさい…あたしもわからないんだ。どうなるのか…」

香里奈は、少しうなだれながら、話す。

里緒菜は、直樹の方を向いた。

「ナオくんは、ついていくんでしょ?」

直樹は頷き、

「会場の入り口まで…入れるところまでは」

里緒菜、はため息をつくと、

「わかったわ。いってらっしゃい!」

里緒菜は、出入り口の扉に歩き出す。

「里緒菜!」

香里奈が叫んだ。

里緒菜は立ち止まり、振り返った。

「もうとめない。だけど、ちゃんと明日は、学校に来て」

「うん!」

香里奈は頷いた。

「香里奈…本当に大丈夫か?」

恵美は心配げだ。

「携帯ずっと、握り締めてるから。何かあったら、すぐに電話してね」

祥子が…。

みんな、心配してくれている。

香里奈は、その気持ちを力にして、

頑張ることを誓った。




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