黄昏に香る音色 2
ゆうは微笑み、

「例え…その為に、学校をやめなければならなくなっても、本望だ」

ゆうは前を向いた。

「教師は、学校の為ではなく…全生徒、一人の生徒の為に存在してるんだよ」

「でも、先生が…」

里緒菜の言葉を、遮るように、

授業が、始まるチャイムが鳴った。

「ほら。授業が始まるぞ」

ゆうは、もう一度笑顔を見せると、

次に授業をする教室に向かって、歩き出した。

里緒菜は、そんなゆうの背中をただ…見送った。

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