黄昏に香る音色 2
「ナオくん…」

香里奈は、振り返る。

「帰ったら、デートしょうね」

突然の香里奈の提案に、少し驚きながらも、直樹は頷き、

「うん。デートしょう」

「初デートだね」

「そうだね」

「楽しみ」

「俺もだ」

「ナオくん」

香里奈は、手を振る。

「いってきまーす!」

香里奈は一気に、ホームまで走った。

手に、楽器ケースと、

チケットを握り締め…。

今、

香里奈は旅立った。


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