黄昏に香る音色 2
「如月!」

包丁を、前に突き出しながら、淳は近づいてくる。

「お前も…親が金持ちで…ちょっと顔がいいだけで、余裕こきやがって!」

「あんたに、里緒菜の何がわかるのよ!」

香里奈が叫んだ。

「てめえも同じだ!親の名声に、すがりやがって!」

淳は、香里奈に襲いかかる。

「自分で、何もできないガキが!偉そうに!」

「香里奈!」

淳と香里奈の間に、里緒菜が飛び込んだ。

「死ね!」

包丁が走った。



「里緒菜ー!」

香里奈が絶叫し、

祥子も泣き叫んだ。

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