天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「チッ」

サーシャは、舌打ちした。

「今のうちに、やつを」

残りの2匹が空中で旋回し、僕に向かってくる。

「少年!」

サーシャが叫ぶ。




僕は…静かに、奈津子を地面に寝かせた。

(僕が強いか…わからない。
実際…戦いにはむいてないし、臆病だ)


僕は、上空から迫り来る二匹を睨んだ。

(だけど、今は…戦わなくちゃならないんだ)

魔物から視線を外さずに、僕は左手を上にかざした。

(指輪はないだけど…アルテミアもいないけども…変われるなら)

「モード・チェンジ!」

僕は大空に向かって、全力で叫んだ。

(変われ!)

自分自身。


強い意志を込めて、僕はぎゅっと左手を握り締めた。
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