天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「赤星…」

「アルテミア…」

血を流し、倒れた僕は…何とか立ち上がろうとしたけど、意識が朦朧としていた。

近くに、2つの巨大な気が発生したのも感じていた。

しかし、バイラ達の気は見失っていた。

「赤星…」

アルテミアは、ピアスの中から、おもむろに話しだした。

「あたしに…変われ」



「駄目だ…」

僕は、アルテミアの命令を拒否した。

純粋なる女神であるアルテミアには、この世界の大気は毒だった。この世界にいるだけで、彼女はダメージを受けるのだ。

「お前はもう…動けない。このまま…ここで!何もできずに終わるつもりか!」

「だけど…」

薄れていく意識が、強大な気の一つが膨れ…そして、圧縮されていくのを感じていた。

この力が破裂した場合…そばにある原発も誘爆する。

「誰かが…結界を張っている。爆発した瞬間、いきなり解放するつもりだろう…」

アルテミアは舌打ちした。

「そうなれば…この周り…いや、少なくても、この国がなくなるぞ…」


「畜生…」

僕は、土を握り締めた。もう立ち上がれない。

「それでもいいのか!赤星浩一!」

アルテミアは叫んだ。

「よ、よくないよ…」

僕の目から、涙が流れた。

「僕は…いつも…肝心な時に…無力だ…」

僕は、自分が口惜しい。


「赤星…」


「ぼ、僕は!」

泣き叫ぼうとする赤星を、アルテミアが叱咤した。

「泣いてる場合か!今、お前にできることがあるだろが!」

アルテミアの声に、左手の指輪が輝き、呼応する。

「あたしなら、大丈夫だ!すぐに終わらす!赤星!心配するな!いや、あたしよりも、お前のいた世界を心配しろ!赤星浩一!」


「うわあああ!」

僕は絶叫した。

「お前は、戦士だろが!」


アルテミアの言葉に、僕は指輪を見つめながら…叫んだ。

「モード・チェンジ!」



指輪から、光が溢れ……

その光を切り裂いて、


天空の女神が光臨した。

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