天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「お前でも…無理か…」

残念そうに、輪廻は肩を落とした。

「き、貴様は何者だ」

クレアの顔に、初めて恐怖の色が浮かんだ。

輪廻は、ゆっくりと歩きだした。

「おれの体には、呪いがかけれられている…。時の呪い…」


「時の呪い?」

輪廻は頷き、

「おれは…死ぬことができない。死ぬほどの怪我をしても…してない時に戻される…」

輪廻の首筋から、異様な気が漂っていた。

「魔王の呪いだ…。この呪いをとけるのは、魔王よりも、強い力のみ!」

輪廻は、走りだした。

「お前では、無理のようだ」

切っ先を、クレアの首筋に向けて、クレアは突進してくる。

「化け物が!」

クレアは飛び上がると、輪廻のネクタイを避け、体育館の窓ガラスを突き破り、外に出た。


「女神の力さえ、手に入れれば!お前如き、簡単に殺してやるわ!」

クレアは、蝙の羽を背中から生やすと、空中へ飛び上がった。

「逃がさん!」

輪廻もまた、体育館から出た。

学校は夜の中にあり…、真上にある月だけが、唯一の光だった。

輪廻は、月を見上げた後、正門の方へ走りだした。





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