天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「何?」

突然、校門をくぐろうとしていた梓は、どこからか飛んできた2つの手につかまれて、

学校内に戻された。

誰もいない裏門まで。

裏門の向こうは、下り坂の一本道で、高台の向こうの団地に続いていた。

しかし、団地までは歩いて、20分。それまでは、何もない。

道の周りは、林になっていた。

そんな裏門を抜けた…すぐそばに、原っぱがあった。

そこから、高台の向こうがよく見えた。戦争前は、駐車場に使われていたが、今は学校関係者の自転車が、止まるだけの空間に、梓は連れて来られた。

腕は、原っぱに立っていた人造人間の腕に、戻っていった。

正門から、裏門まで、足を浮かしながら、低空で飛んでいく梓を、なぜか他の生徒は、気にしない。

まるで、催眠術にかかっているように、皆…目をトロンとさせて、ただ帰っていく。

そんな生徒の間をかき分け、裏門を出た梓は、人造人間に抱き抱えられる形で、落ち着いた。

「な、なんなの?」

転校初日…信じられないことばかりで、

梓には、これが現実なのか理解できない。妙に、現実離れしている為に、梓には実感がなかった。

「メ、メガミ…」

人造人間が、言葉を発した。

「女神?」

梓には、意味がわからなかった。

(これは、全部夢だ)

で、納得しょうとした梓の前に、裏門から走って出てきた響子の現れた。


「その子を離しなさい!」

威圧的な態度で、人造人間を睨む響子。

人造人間は、響子を見たが、離す気はないらしい。


「性眼!」

響子は、梓から視線を外さないようにしながら、叫んだ。

「クレアが来る前に、こいつを片付けるぞ」


その声に呼応するかのように、梓のすぐ目の前に、無数の眼が出現した。

「ヒィ」

梓は、声にならない悲鳴を上げた。そして、意識を失おうとしたが、突然下に落ちる感覚に驚き、梓は逆に目が覚めた。

今度は、違う男に、梓は抱き抱えられていた。

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