天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「この輝きは…」

クレアは、梓の方を見て、眩しさに目を背けることなく、歓喜の表情を浮かべた。

「太陽!」

しかし、バンパイアであるクレアの体が、焼けない。


「この太陽の力を、我が身に取り入れれば…我は、昼間も手に入れることが、できる!」



「梓様!」

響子は何とか、梓の力を抑えようとするが、無理だった。

(太陽……。そうか!)

空牙は、輪廻に近づこうとして、足を止め、梓を見た。

(こいつが…この世界の真の神か…)

神は、この世界に1人だ。唯一無二の存在。

(しかし…)

空牙は、目を細めた。

涙を流す梓を見て、

(力を拒否している…)



ただ梓を見つめる空牙に、響子は叫んだ。

「雷!貴様なら、この力を制御できるだろ!クレアにとれる前に…」

響子の言葉に、空牙はフッと笑い…無視して、空牙は輪廻に近づいていく。


「力を…太陽の力を!」

クレアは、気で響子を吹き飛ばすと、暴走している梓の肩をつかみ、

首筋に噛み付いた。

クレアは、ゆっくりと梓の血を吸った。

そして、首筋から離れると、背中を反らすくらいに、喜びから、身をくねらせた。

「太陽が、我の中に!」

クレアは顎を天に向け、月を見上げた。

「月よ!我は、明日より…あなた以外も………」

クレアは最後まで、言葉を発することができなかった。

月を見つめる…クレアの瞳が赤く……赤く…燃えていた。

瞳だけでなく、クレアの体の中から燃えだした。


「ど…どうなっている?」

響子は立ち上がると、梓のもとに走った。そして、梓を後ろから、抱き締めながら、燃えていくクレアを見つめた。



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