天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「こんなところに、いらっしゃったんですか!」

遺跡の外壁を調べている男に、頭の天辺が禿げた男が声をかけた。

遺跡の天井近くまでよじ登り、調べている男は、その声に気付かない。

すると、どこからか、1人の妖精が飛んできて、調べている男の耳元で、口を開いた。

「呼んでるよ。アート」

妖精の声に、アートは顔を上げ、はっとしたように、下を見た。


禿げた男は、手を振って、

「お昼にしましょう」


アートは頷き、

「すぐ行きます」

禿げた男も頷き、その場から離れるのを見送りながら、

アートは、まだ顔の横に止まっている妖精に、声をかけた。

「ティフィン。君も先に、行きたまえ」

ティフィンは半回転すると、

「わかった」

そのまま、禿げた男の後を追って飛んでいった。 


アートは少しため息をつくと、十メートルはある地面へと、軽く飛び降りた。

そして、着地すると、遺跡を見上げた。

「やはり…ここは、見せるだけで…手がかりはないのか…」

アートは、遺跡に背を向けると、ゆっくりと歩きだした。



人の世界を守る為には、残った結界も遮断することだ。

確かに、魔界以外にも魔物はいるが、強力な魔物は魔界で生まれていた。

だから、圧倒的に危険は減るはずだ。

「問題は…魔神と……魔王」

結界をものともしない存在はいるが、

ここ数年で、108いた魔神のほとんどは、退治されていた。

それをやったのは、赤星浩一と天空の女神……アルテミア。

まさに、彼らこそが人類の希望である。

「戦いは…彼らに任せればいい」


赤星やアルテミア以外にも、戦い続ける戦士はいる。

カードシステムの崩壊で、一度は戦力が下がったが、今は盛り返してきている。 


「だからこそ…戦う力だけでなく、守る力が必要なのだ」

アートはその為に、遺跡を調べていた。


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