天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
希望の砦
ブルーワールドは、大きくわけて、3つの地域にわけられた。

一つは、人間が住んでいる地域。

一つは、実世界でいうオーストラリア辺りにある大陸…ロストアイランド。

最後の一つが、実世界でいう北朝鮮、中国、ロシア…東ヨーロッパまでの地域…魔界である。


赤星浩一により、ロストアイランドは結界を解かれたが…魔界と、人間が住む地域をわける為の結界は、今も機能していた。

結界が薄く…魔界とつながっている場所は、三ヶ所しかない。

ヨーロッパのアルプスと、ヒマラヤ…そして、北朝鮮である。

アルプスとヒマラヤは、結構厳しい為…そこを越える者は、少なく、魔界に入ろうとする者の殆んどが、北朝鮮ルートで侵入を、試みていた。



その三ヶ所以外をおおう…結界は、誰が作ったのであろうか…。

信じられない距離を張り巡らされて…その強度も半端ではない。

神レベルの魔神でないと、突破はできなかった。





そのような結界を長年保つように、創った先代達は、数多くの遺跡を残していた。

その数は、多すぎて不明である。

地下深くにあったり、成層圏を越え、衛生軌道上にある遺跡も、あるらしかった。

結界が破壊されないように…破壊されても、一つや二つくらいなら、結界が消えることがないようにしているかのように。


そんな遺跡の中でも、剥き出しなのは、三ヶ所あった。

長年の月日により、自然と剥き出しになったのか…。

それとも、最初からこれらだけは…わかるようにしていたのか…。

その真実は、長年の研究を持ってしても、不明だった。




「いや……違うな…」

その中でも、一番大きく立派な遺跡は、実世界のネパールにあたるところの…熱帯のジャングルの奥にあった。

結界は即ち…魔界に近い。

あまり、人が近づかない遺跡に、1人の男がいた。

髭を伸ばし、頭をぼさぼさにした男は、何人もジャングルの中で、過ごしてきたのか…肉体は焼けて、真っ黒になっていた。

彼は身なりなど、気にせずに…遺跡の隅々を見ていた。

外壁や、あらゆるところを、見逃す部分がないように、念入りに確認していた。




< 1,147 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop