天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
復活のアルテミア
「寝てる場合じゃないつうの」

僕は、倒れ込んだベットから……砂浜から起き上がると、激しく息をして、何とか立ち上がった。

無理やり起きたから、頭がぼおっとする。

一呼吸おくと、波打ち際から、歩き出した。

どうやら、この海岸は、普段、人の出入りがないようだ。

砂浜の幅も、50メートルくらいと小さい。

目の前は、崖になっている。

昔なら、頭を抱え、途方に暮れたことだろう。

だけど、今は。

僕は、学生服の内ポケットから、カードを取り出すと、叫んだ。

「召還!」

空間を切り裂いて、フライングアーマーが現れ、僕の肩と背中に、装着される。

「トオ!」

掛け声とともに、ジャンプし、一気に、崖の上へと、飛び上がった。

僕の遥か右手に、防衛軍の結界が、確認できた。

そして、

僕は、唖然となった。

崖の上は、ひたすら広い高原になっており、辺り一面に、草花が咲いているはず…だった。

いや、確認なんてできない。

地面が見えない程の、夥しい魔物の群。

僕の目の前には、先日僕を襲った鴉天狗と同種の、翼を広げた魔物達が、数千は、浮かんでいた。

空中に浮かぶ僕の足下には、何百もの旗印が、風になびいていた。


天空の騎士団の旗だ。
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