天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「待っていたぞ。人間の少年よ」

一際目立つ、巨大な馬…いや、角があるから、ユニコーンか…に跨った、同じく一本の角を生やし、熊を思わす体躯をした魔物が、

群をかき分けて、一番前に出てきた。

僕は空中から、崖ギリギリに着地した。

それくらいしか、スペースは空いていなかった。

僕は、ユニコーンに跨った魔物と、対峙する。

魔物は、物怖じしない僕の様子に感心した。

「報告とは、違い…なかなか、肝が座っているようだな」

魔物は、ユニコーンから降り、さらに、僕に近付く。

「我が名は、天空の騎士団長、ギラ。そなたの名前は?」

ギラは、ただそこに立つだけで、物凄い威圧感がある。

一目でわかった…今まで出会った魔物の中でも、トップクラスの強さだ。

昔なら、それだけで、押し潰されただろう。

僕はギラの目を見据え、

「赤星浩一」

フライングアーマーについたミサイルポットを、開けた。

いつでも、発射できるように。

「お主は、この状況が…わからないのか?」

ギラは、呆れたように、僕を見た。

「あ、明菜を…アルテミアを返して、貰おう」

強気な僕の態度に、ギラはせせら笑った。

「馬鹿か」

ギラの周りの魔物達が、殺気立つ。

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