天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「鉄の腕!?」

唖然としているカレンに、リオの拳が襲いかかる。

「よそ見をしている場合か!」

しかし、カレンは簡単にリオの攻撃をよけた。

「チッ」

舌打ちしたリオは、拳を握りしめた。

「ちょこまかと!」

怒りに狂いそうになるリオよりも、カレンはプールの底から姿を見せようとするものに、嫌な感覚を覚えていた。

「あれを…出さすわけにはいかない!」

カレンは胸元から、プロトタイプブラックガードを取り出すと、

「雷帝の雷!」

久々に魔力を使った。

突然結界内に現れた雷雲から、雷が鉄の腕に落ちた。

本で得た知識で、機械で作られたものは、強力な電気に弱いとカレンは知っていた。

しかし、表面に電気が走っても、腕の動きは止まらない。


「何!?」

まったくダメージを受けていない腕を見て、カレンは驚いた。



「無駄だ」

プールに一番近い特別校舎の屋上から、その様子を見下ろしていた兜は鼻を鳴らした。

「あいつに、そんな攻撃は通用しない。特に、実世界でも想定される攻撃など…銃刀機神、ガンスロンには効くはずがないわ」





「なめるな!」

さらに強力な魔法を発動しょうとしたカレンの死角から、リオの拳が迫ってくる。

「あたしを無視するな!」

「邪魔だ!」

カレンは、風の魔法を発動し、リオの足に絡み付けると、バランスを崩さした。


転ぶリオを確認することなく、カレンは空に飛び上がる。

「魔法が効かないならば」

胸の十字架に手をそえると、ピュアハートを召喚させた。

「ぶった斬る!」


プールの頭上まで飛翔したカレンが、剣先を鉄の腕に向けた時、信じられない方向から、巨大なものが地面から突きだしてきた。

それは、ガンスロンのもう一本の腕だった。

巨大な拳が後ろから、カレンの背中…いや、全身を強打した。

簡単に吹っ飛んだカレンは、グラウンドを囲む柵をも飛び越え、近くの民家に激突した。


その瞬間、プールを突き破り…ガンスロンはその姿を学園にさらした。
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