天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
ぶっ殺す!
「きゃー!」

悲鳴を上げる明菜。

「どうした!」

胸騒ぎを感じながら、僕は部室へと走った。

「明菜!」

明菜は、僕の声をきいて、こちらを見た。

すがるような涙目。

全力で走る僕の目の前で、扉の中から、飛び出した無数の蛇が、明菜の全身を絡めとり、部室の中へ引きずり込んだ。

「明菜!」

僕は、全力で扉の前に滑り込んだ。




「お初にお目にかかる」

扉の向こうから、僕の足元に、大量の水が流れてきた。

少し驚いた僕に、水浸しの部室の中から、3人の女子が、振り返った。

不気味ににやけながら、まったく同じリズム、同じ口調…同じ声で、僕に話しかける。

「な…」

その異様な雰囲気に、僕は構えた。

異世界での経験が、ちょっとやそっとのことで、僕をパニックにはさせなくなっていた。

(だけど…ここは…)


「こうちゃん!」

明菜の声に、僕は3人の後ろを見た。

「明菜!」

天井から滴り落ちる水の蛇が、明菜と里緒菜、香里奈、美奈子に絡みつき、
締めあげていた。

「クソ」

部室に入ろうとした僕の前に、3人が立ちふさがった。
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