天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「この水は、我の体の一部。触れた者の体に、染み込み、相手の意識を奪い…操ることができる」

ゼリーは、後ろで手を組んだ姿の…海童になった。

「それにしても…」

海童は後ろ手のまま、僕に近づき、

「さすがは、女神と融合しているだけあって…」

海童は、僕の状況を下から上まで見ると、

「操ることはできないか」

足下に溜まった水も、僕の体には染み込まないようだ。

何とか自由になろうともがいていると、どこからか無数の足音が、聞こえてきた。

海童は、鼻で笑うと、僕に顔を近づけ、生臭い息を吹きかけた。


「聞こえてるか?女神」

足音に混じって、怒声が 聞こえてる。

僕は、首を動かすことができない。

何かが近付いてくる。わからないが。

海童は、僕の顔から数センチの距離で、笑った。

「お前の大好きな人間…人間に!殺されろ」

そう言うと、頭を抱えながら、大声で笑い転げた。


「我は、空間をこえて、ここに来た。来たら最後、我は、もとの世界には戻れない」

海童は、僕から離れると、天に向かって、両手を広げ、

「しかし!この世界…」

ゆっくりと周りを見回し、にやっと笑う。

「食料には、困らない」

嬉しそうに、顔をほころばし、海童の口が左右に少し裂けた。
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