天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ありがとう」

ポイントが貯まったカードを、胸元に差し込むと、

ニコニコしながら、

アルテミアはいきなり、男の首筋に、剣を軽く当てた。

「ど、どうかしましたか…気に入らないことでも…」

男は両手を上げた。

アルテミアは、さらに満面の笑みになると、

剣先を軽く…首筋に押し付けた。

「あんたらさあ…知らない?」

「な、何をですか…」

「あんた…ここの責任者でしょ。裏情報を知ってるはず」

「な、何のですか…」

アルテミアは顔を近づけると、

「あたしの武器…チェンジ・ザ・ハートを、盗んだやつだよ」

「し、知りません」

「本当か?」

アルテミアは、剣先で軽く首をつつく。

「あ、あれは…盗まれたんじゃなくて…競輪場で、夢中になりすぎて…忘れたと聞いておりますが…」

アルテミアは軽く、男の首を刺した。

「嫌なことを、思い出させたな」

アルテミアは競輪で負け、ポイントがすからかんになり、

武器までなくしていた。


魔王戦前の景気づけだったのに。

結局、

ポイントは、その辺のおっさんから巻き上げたけど……

結果、武器なしで戦い…

負けたのだ。

「教えろ!チェンジ・ザ・ハートを持ってるやつを!」

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