天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
決意
それは、ぎりぎりだった。

ほんの数秒遅れたら、間に合わなかっただろう。




「モード・チェンジ!」

槍が、完璧に振り下ろされる前に、

僕は絶叫した。

「何?」

驚くステイタスの目の前に、

空中から、僕が、屋上に着地した。

チェンジ・ザ・ハートを突き立て、屋上の床を突き破ったけど、

何とか落下の衝撃は、吸収できた。



「クククククク…ハハハ!」

僕の姿を見て、ステイタスは嬉しそうに笑った。

「貴様なら、簡単に殺せるわ」

ステイタスは、巨大な口を開き、

僕に飛びかかった。




「かかった…」

僕は口元を緩め、胸を撫で下ろした。

「何だ…?」

屋上の手すりや網は、ぐちゃぐちゃになっていたが、

四隅で、それらを支える鉄柱は、残っていた。

そこから、空中に蜘蛛の巣のようなネットが張られ、飛び上がったステイタスを、絡め取っていた。

「こ、これは…」

ステイタスを絡めた糸に、触れてる部分から、水蒸気が上がる。

ネットは、炎でできていた。

「ファイヤーネット…」

僕は呟いた。

突き刺したチェンジ・ザ・ハートの先から、

炎は、柱に伸びていた。





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