天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「モード・チェンジ!上位進化。くらえ!A Blow Of Goddess!」

天使の姿になったアルテミアの雷撃が、ライに放たれた。

「甘い…」

ライは、それを片手で受け止めた。

(ティアナ…)

ライは、あの時のティアナの姿を思い浮かべていた。

ライは、アルテミアの雷撃を後方に跳ね返すと、

「お前のその能力!お前のその力は、我らが与えたもの!」

ライは、もう片方の手を突き出し、

「自惚れるな!」


「きゃーっ!」

アルテミアの体は、吹き飛んだ。




「ライ様…」

王の間で、瞑想にふけっていたライに、ラルが声をかけた。

「お食事の時間です」

ライの玉座に跪き、食事を運ぼうとするラルに、

「いらぬ」

ライは呟くように、言った。

「しかし、王よ!もう何日も…」

ライは、最近まったく食事をとっていなかった。

「これくらいで…、我の力が、衰えると思っておるのか?それとも」

ライは、ラルを見下ろした。

「我が…アルテミアに、負けるとでも思っておるのか」

ラルは跪き、頭を下げた。

「滅相もございません」


「フン。ならば、下がれ」

「ハッ」

ラルは、王の間から消えた。

ライは鼻を鳴らし、

「まだまだ負けぬわ」

と言葉を漏らした。

< 256 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop