天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
力と力
「赤星!」

燃え盛るすべてのもの。

建物も地面も、空気さえも熱を帯びていた。

「両手をクロスさせろ!」

結界の中、動けずにいる僕に、ピアスの中から、アルテミアが叫んだ。

こういう時のアルテミアは、何か考えがある。素直に、両手をクロスした僕の手に、何かが装備された。

「これは…」

鋭い鉤爪だ。僕は、これに見覚えがあった。

「ネーナのファイヤー・クロウだ。お前なら使えるだろうと…拾っておいた」

僕はまじまじと、両手の鉤爪を見た。

「こいつは、切り裂いたものを燃やすだけでなく、炎を操ることができる」

アルテミアの説明で、何をすればいいのか、大体理解できた。

僕は、天に浮かぶ黒い影を見上げた。

「こいつで、火種をかき分け、道を作れ!そして、チェンジだ」

僕は頷いた。

「いくぞ!結界を解け!」

結界を解いた瞬間、ファイヤー・クロウで空気をかき分けるような動きをした。

僕の上空…左右に竜巻が起こり、火は僕を避けた。

「モード・チェンジ!」

叫び声とともに、ジャンプした僕は、空中でアルテミアに変わる。

チェンジ・ザ・ハートが飛んで来て、槍に変わると、アルテミアは上空の影に向かって、

「A Blow Of Goddess!」

しかし、構えに入った瞬間、

空を覆う影は、消えていた。
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