天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
サーシャは、轟の目を見…頷いた。

サーシャの体が、光の粒に変わり、弾けると…ロバートに変わった。

「轟隊長…」

ロバートも泣きながら、轟を支える。

「君も分かってるはずだ…このままではいけないと…サーシャは、君の思い通りにはならない」

轟の言葉に、ロバートは絶句した。

「この子は、正義感が強い。彼女を殺すことに、協力はしない…」

ロバートは、目をつぶり、唇を噛み締め…言葉を何とか絞り出した。

「知ってたのですね」

轟は頷き、

「知ったのは…洗礼を受けてからだ」

「…」

「君の師匠は、クラーク・マインド・パーカー…安定者だからな…」

と言うと、轟は体を大きく痙攣させ、ロバートの腕の中から、離れた。

「轟隊長!」

「き、君も分かってるはずだ!真の敵は、魔王ではなく…人間であることを!」

轟の全身に、ヒビが走った。

「この醜い戦いに!巻き込まないでくれ!わが愛する娘を!」

轟は、深々と頭を下げた。

「頼む…。娘を愛してるなら…」




轟の体は崩れ落ち、ただの灰になった。

「轟………隊長……」

ロバートはしばらく、灰の山となった轟を見つめていた。

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