天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
足りないもの
「危ない!」

僕は叫んだ。

「え?」

少年は聞こえたのか、後ろを振り返った。見えるはずもなかったが…。

ジュリアンは、ゆっくりと歩き出した。

少年の横を、ジュリアンが通り過ぎていく。

少年は後ろを向いたまま、気づかない。

「アルテミア!できるだけ、ここから離れて!」

「わかってる」

また逃げようとするアルテミアを、今度は逃がさない。

ジュリアンの動きは、先程とは比べものにならないくらい、速くなった。

槍を使い、攻撃を払おうとするが、ジュリアンの拳は、隙間を狙って、すべてがヒットした。リーチの差なんて、物ともせずに。

「アルテミア!」

だんだんと、アルテミアの動きが鈍くなっていく。

(気持ちが負けてる)

僕は、何度も叫んだ。

「アルテミア!離れろ!逃げろ!」

チェンジ・ザ・ハートで払うのを止めたアルテミアは、全身で拳を受けながら、

「逃げろだと」

声に怒りがこもっている。

アルテミアは殴られながら、ある体勢に入っていく。

「女神の一撃!?やめろ!ここは病院だぞ」

頭に血が昇ったアルテミアには、聞こえない。

「どいつもこいつも…あたしをコケにしやがって!」

チェンジ・ザ・ハートが光る。脇に挟むと、発動体勢に入る。

「A Blow Of Goddess!」





< 292 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop