天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「来るな!」

叫ぼうとしたが、まだ声が出なかった。


「敵、発見!」

出てきた警備隊は、5人。全員魔力を込めたマシンガンを装備していた。

「撃て!」

と隊長らしき者が、叫んだ刹那…全員の首が飛んでいた。


怯える看護婦と、少年…惨殺された警備隊を見た時、僕はジュリアンのことを理解した。

ゆっくりと立ち上がると、僕はジュリアンと、少年を挟んで対峙した。

(ここじゃ…駄目だ)

僕はゆっくりと、後ろに歩き出した。

ジュリアンは付いて来る。

(できるだけ…ここから離れないと)

僕は、一度足を止めると、大きく深呼吸した。

「召還」

ポイントは、まだ全然使っていなかった。

アルテミアが、ブラックカードを持ったことにより、僕のカードはポイントが減らず、貯金だけが増えることになった。ブラックカードは、無制限であり、増減はないからだ。

僕のカードで、召還したフライング・アーマーを背中に装着すると、その場から飛び立った。

「ありがとう」

眼下に見える少年に、頭を下げると、僕は全速力で、町の外を目指す。

ジュリアンの気配はしないが、絶対に追ってきているはずだ。


上から見ると、街は騒がしく、何かあったみたいだ。

大きなビルが傾き、救護隊が走り回っていた。
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