天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「さらに!モード・チェンジ!」

光を切り裂くように現れたアルテミアは、ストロング・モードに変わり、チェンジ・ザ・ハートを蹴り上げると、反転して更に、蹴りをもう一人のアルテミアの腹に、叩き込んだ。

少しふらついた相手に、アルテミアはにやりと笑うと、蹴り上げたチェンジ・ザ・ハートを掴み、取り返した。

まだ電気を帯びているチェンジ・ザ・ハートを振るうと、

「A Blow Of Goddess リバース!」

アルテミアは、女神の一撃を放った。

凄まじい雷鳴と、空間をも切り裂く竜巻。直撃だった。

「やったのか…」

僕は、前方を睨んだ。

「いや…」

アルテミアの額から、冷や汗が流れた。

雷と竜巻が止んだ後、普段は地面がえぐれ、周りの風景は変わっているのが、つねなのに、何の変化もない。

「さすが…あたしの体…全部吸収したか」

アルテミアは、再び構えた。

「あたしに、あたしの技は無意味」


閉じた瞼の下に薄らと覗く赤い瞳に、鋭い牙…ブロンドの髪は、爆風の後でも、汚れてもいない。白を思わすいつものアルテミアと違い、黒を印象づける佇まい。

僕は一度、そのアルテミアを見ていた。夢の中で…。

天空の女神といわれた、バンパイア。

「アルテミア…あれは一体…」

アルテミアはフッと笑い、

「あいつとの戦いで、消滅させられたと思ってたけど…隠してやがったな」

アルテミアは魔王との戦いに負け、肉体を失い、死ぬはずだったところを、異世界の僕と一緒になることで、助かったのだ。

しかし、今…目の前に、なくしたはずの肉体が、

敵として立ちはだかっていた。

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