天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「アルテミアアア!」

僕の絶叫に、

「うるせいなあ!耳元で、叫ぶな」

アルテミアは、顔をしかめた。

「え」

「心配するな。こいつは、脱け殻に戻っただけだ」

アルテミアの足下に、アルテミアキラーの体が転がっていた。

ソード・オブ・ソウルで切ったのは、ライの分身だけだから、本体には傷一つついてない。

「赤星…今まで、サンキューな」

「え?…ああ…」

アルテミアの感謝の言葉に、僕はやっと現実に戻った。

(さっきのは…夢か…)

オロオロしている僕に、アルテミアは苦笑すると、自ら指輪を外し、

「あたしにつけてくれ」

僕にそう告げると、アルテミアから僕に変わった。

僕は、外した指輪を見つめ、目の前に横たわるアルテミアの体に向かって、腰を下ろした。

「アルテミア…」

初めて生で見るアルテミアは、夢の中で告白してきた…あの美しい美女、そのものだった。

(まさか…こんなことになるなんて)

僕はアルテミアの左手を取り、指輪をはめようとした。


「待て!」

後ろから、声がした。ロバートだ。

「その指輪をつけた時、真の女神は復活するんだぞ」

僕は、振り返り、ロバートを見た。

「君と融合している時は、人間の味方だったかもしれない!しかし、もとの体に戻ったら…」

ロバートの言葉を遮るように、僕はきっぱりと言った。

「アルテミアは、アルテミアだ」

「やめろ」

ロバートは銃を召喚すると、僕に向けた。

「これは、君の一存で決められることではない。防衛軍に渡して…」

「ロバートさん」

僕は微動だにせず、銃口の向こうのロバートを見つめた。

「僕は、防衛軍より何より、アルテミアを信じます」



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