天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「赤星!」

ただ突っ込んでくるだけなのに、竜巻と雷鳴、そして、炎の爆発とすべてを凍らす吹雪が、交ざり合い、

地球上にある…あらゆる天災を纏って、アルテミアは近づいてくる。

「アルテミア!」

僕は、ライトニングソード華烈火を上段に振り上げた。

「お前も、あたしの敵なのか!!!!!」

「違う!」

ライトニングソード華烈火を振り落とすと、あらゆる天災の中に、道ができた。

空間を切り裂いたのだ。

天災を両側にして、アルテミアの前まで、何もない道が続く。

僕は、走り出した。

その間は、数秒。瞬きほどの時間。

「僕は…アルテミアのことが!」

「赤星!」

アルテミアは剣を捨て、両手を突き出した。

空雷牙だ。

道は、雷で満たされた。

「好きなんだ!」

空雷牙とライトニングソード華烈火が、ぶっかり合い、

凄まじい爆風が、僕の最後の言葉をかき消した。

ライトニングソードは、空雷牙をも切り裂いた。

雷を抜けると、アルテミアの顔が近くにあった。

僕は、見惚れてしまった。

(やっぱり綺麗だ)

アルテミアの顔に、悲しい笑顔が浮かんだ。

両手を広げ、胸元をさらしたアルテミアに向けて、ライトニングソードの勢いは、止まらない。

「アルテミア!避けろ!」

僕の言葉は、虚しく…ただ響くだけだった。

ライトニングソードは、アルテミアを貫いていた。

そして、道は消え、あらゆるものを破壊する光が、

僕とアルテミアを包んだ。





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