天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「すごい…」

僕は思わず、感嘆した。

刀を握ったまま、信長は僕を見た。

「是非もない…」

信長は、刀を僕に向け、

「ゆけ…」

炎でついに、周りの景色の形さえ、わからなくなってきた。

「わしは、行かん…情けはいらぬ」

「信長様!」

「ここで、終わることが…わしの運命だったというなら…受け入れるのみ」

「赤星!」

アルテミアの怒声とともに、左右の燃え落ちていく障子を突き破って、2つの物体が、僕に襲いかかってきた。

「チェンジ・ザ・ハート!」

それは、アルテミア専用の武器。

1つは、僕の鳩尾にヒットし、

もう一本は、白い手が、掴んだ。

僕がいたところに、天井の柱が落ちてきた。

信長は、フッと笑い、

「悔いがあると、すれば…。そなた…強いらしいな」

柱は、青くスパークする電撃に、破壊された。

ただ…炎の赤とオレンジだけの色となった広間に、

トンファータイプになったチェンジ・ザ・ハートを、両手に構えたアルテミアが立っていた。

信長は、剣をくるっと回し、

「女神か…。一度、手合わせしたかった」

自らの胸に、刃を突き立てた。

「信長様…」

僕は強制的に、アルテミアに変わらされたのだ。

ピアスの中で、気を失う寸前まで、信長を見つめながら。


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