天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
さらに、口ごもる僕に、

明菜は詰め寄る。

「誰よ!相手は」

「相手は…アル」

明菜の迫力に、負けて、

僕は思わず、口を滑らせそうになったけど、

思い切り、首を横に振って、

「あるお店で、自分で、買ったんだ」

しばらくの間。

明菜はじっと疑いの目で、僕の目を見つめると、

「だったら…」

明菜は、また僕の腕を取り、

無理やり手を上げさすと、指輪を僕の目の前まで持ってきて、

「1日だけ、あたしに貸して」

「え!」

明菜は、すうと簡単に、僕の指から指輪を抜き去った。

そして、自分の指にはめると、

「少し…タブタブだけど…」

僕の指は、普通の男の人より細い。

「似合う?」

明菜は、指輪をはめた手を僕に見せて、

嬉しそうに、一回転すると、

「1日だけ…貸してね。明日返すから」

いたずらぽい…満面の笑みを、僕に向けた。

「う、うん…」

僕は、渋々…頷いた。


このことが…

何を引き起こすか、分からずに。

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